大都市近郊において 京野菜等を生産する農家(屋号:柳ヤ(yanagiya))に新規就農し、  農場から食卓までの現場において得られた体験を基に、これからの都市農業における農業生産等のあり方について時々考える。
080227しばれる
■瞬間最大10.6m/sの西北西の風を正面に受けながら、ホウレンソウの株間に蔓延る雑草をひたすら引っこ抜く。
■本日の最高気温は6.7℃、体感温度は風速1mごとに1℃下がるそうなので、鼻水が止まらないのも頷ける。
■最近の悪天候を反映してか、市場の価格も上昇気味。早く出荷できないものかと、自分勝手な思い。
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080226復活
■早春の嵐で吹き飛ばされたホウレンソウのトンネル、緊急避難としてそのままベタ掛けにしておいた。
■その後の積雪&低温にも負けず、子葉2枚まで生長。このまま放置すると、せっかく出芽したのに蒸れて枯れてしまう。
■ついては、小雨がぱらつく中、一気にトンネルを復元。合わせて、乾燥気味だったため軽く潅水する。
■例によって例のごとく、作業が終わるころに本降りの雨。泥だらけとなったビニールも、雨に洗われて少しはきれいになるはず。

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080225WTO農業交渉の行方
■日々の土や野菜との対話もさることながら、世の中の動きを把握することも重要。近畿農政局主催、WTO農業交渉に関する説明会に参加する。
■議長案の改訂がなされ、近くモダリティの確立、つまり交渉の大枠が決まるとのこと。大統領選挙を控える米国の国内事情から、交渉の年内妥結は不透明、との報道を鵜呑みにしていたが、世界経済の先行き不透明感からも、案外決まるときは早いのかもしれない。
■この手の話、物事が決まってから右往左往しても始まらないことは、歴史が物語っている。末端の農家レベルでも、早め早めに織り込んでいくことがポイント。FTAとも合わせ、農作業の合間に、もう少し掘り下げていこうと思う。


080224寒い
■本日の最深積雪2cm、朝から冷たい北寄りの風が吹き付け、時折り白いものが視界を遮る。
■とりあえずビニールをベタ掛けしたホウレンソウを救助してやりたいのだが、現場に入ることもできず。
■ジタバタしても始まらない、今日はおとなしくデータ整理の日。早く温かくなってくれよと祈りつつ。

080223思召すまま
■ビニールトンネルをかけたホウレンソウ、連日の陽気で順調に出芽、安心したのが甘かった。
■昨日までの天気とは一変、瞬間最大風速17.3m/sの嵐が襲う。何十回と使い古した竹製の弓(支柱)は折れ、ビニールが空を舞う。
■続いて西の空が怪しい。気温がどんどん下がっていくのが肌で分かる。これ以上外気にさらすと持たない。応急措置として、急ぎビニールをそのままベタ掛けとする。
■すべての作業が終わるや否や、今季何度目であろうか雪が舞い、夜までには積りだした。はたして、今晩以降の寒さに耐えることができるだろうか。

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080222百聞は一見に如かず
■ホウレンソウの除草をするため、ホットエリアの畑に日参している。自転車で片道10分の道のり。途中、一面に大区画の畑が広がっている。
■田んぼではなく畑なので、基本的に専業農家が耕していると思われる。現に植わっている作物はどれも立派で、レベルが高い。
■道すがら、九条ネギの苗を植えているところが目に入る。以前、知り合いの篤農家から、「あそこの畑のネギは、市場では高値に近い評価を受けているだろう」と教えてもらった場所ずばりだけに、さりげなくかつ 食い入るように作業の様子を観察する。
■目から鱗だったのは、剪葉(せんよう)の工程。我が家では、まず苗を抜き取り、束にしてから押切で先端を切除してしていた。束の仕方が甘いと長さが揃わず、手間がかかった。
■ところがその農家は、苗を抜き取る前、生えている状態で先端を切っていた。これだと確実に長さが揃うし、作業も楽。
■往復20分、何かないかとキョロキョロしている様は、結構、挙動不審。


080221法蓮草
■本日の最高気温は13.2℃、平年値より3.5℃高い暖かさ。こんな陽気のときは、病気の発生に注意。
■田んぼのホウレンソウ、不綿布をベタ掛けしている畝について、一度はずしてチェックしてみる。結果、特に病気の発生は認められず。
■それよりも面白かったのは、裸の畝との違い。ベタ掛けしたものは、立性で葉も柔らかそう。他方、裸のものは、極端にいえば匍匐性で肉厚。たぶん、後者は霜や風雪にあたるなど、より過酷な環境下にあったためと思われる。
■市場が求めるものは、束にする作業効率性や風合いからみても、あきらかに前者。ただ、個人的には後者の方が美味しそう。「京の霜降り法蓮草」とかいって、直売で売れないかと思案。

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080220雑草との対話
■少しずつ日差しに温かみが増すにつれ、ホウレンソウも大きくなってきた。それ以上に雑草が蔓延ってきた。
■除草剤でお茶を濁すことも可能だが、幸か不幸か時間的余裕があるので、ひもすがら機械除草(=人力除草)に励んでいる。
■「京都府における持続性の高い農業生産方式の導入に関する指針」(http://www.pref.kyoto.jp/nosan/1182151876359.html)にも「雑草対策として、マルチ活用、機械除草により除草剤使用回数を減らす。」と書いてあるではないか、と頭では納得しているつもりだが、中腰の姿勢をとらされる足腰は黙っていない。
■次作からは、播種時に適切な除草剤をまいておこうと、固く決心。
080219猪鹿蝶
■雨水、土が潤い起るがごとく、久し振りに朝から穏やかな陽気。鳥のさえずりも聞こえる。
■だがよく見ると、カラスのよう。畑に集まっている。急いでいくと、ご覧のあり様。自家用のハクサイやニンジンは啄ばまれ、ベカナに掛けてあった不綿布もちぎられてしまった。
■幸いなことにベカナの芽生えは無事だったが、それでも腹が立つ。今後、温かくなるにつれ、さらに活動が活発になるに違いない。
■防鳥ネットを張るなり、何らかの対策を考えないといけない。

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080218もう積もらないで
■目覚めると、またまた白銀の世界。こんなに何回も積もったことは、これまであまり記憶にない。
■雪は日中には融けてしまうが、それでも風は冷たく寒い。ただ、皮膚感覚だけでは曖昧なので、一日平均の積算気温を調べてみた。
■結果、1月は平年比100.6%だったが、2月に入ると昨日(17日)までで同比69.4%。数字の上でも寒さが証明された。
■これが今後の野菜の生育、はたまた市場の動向にどのような影響を与えるのか、興味半分、戦々恐々が半分。

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080217風が吹けば桶屋は?
■農産物の価格はどのように形成されるのか? 生活がかかっている身だけに興味が尽きない。
■本日付けの日農新聞では、「台湾の野菜 対日輸出 エダマメ減少目立つ」との見出しがあった。「台湾産野菜輸出総額の44%を占める」エダマメが、07年で「92年に比べて半減した」とのこと。
■その理由として、「バイオエネルギーの需要増などで、エダマメからサトウキビやトウモロコシに転作する傾向」にあるとしている。
■同じく本日付けの日経新聞では、「小豆価格なぜ下がる? 砂糖の値上がりが影響 安い「あん」の輸入が増加」との見出しが。
■小豆の値下がりは、「04年、05年に二年連続で大豊作だった」ことがひとつ。さらに砂糖の値上がりが関係するという。「砂糖の(調達)コストを抑えるには、海外で加糖あんに(して輸入)するのが一番効率的」とのこと。つまり、「加糖あんは小豆とほぼ同じ重さの砂糖を使う」ため、加糖あんの輸入が増加すれば、結果的に同量の小豆も輸入する形となる。
■では、なぜ砂糖が値上がりするのか。そう、答えは同じ。「原油高騰で、サトウキビからつくるバイオエタノールが注目され」ているから。サトウキビから砂糖よりバイオエタノールをとる方が儲かるという算段。
■以上の世界経済の状況を踏まえ(?)、今年もエダマメを作付けしようと思う。おやつはあんぱんで決まり。

080216梅だより
■新聞の「咲き始め」の記事を頼りに、北野天満宮に行く。ちなみに京都の平年値は2月19日とのこと。
■就農した昨年4月からの日々の作業をまとめ、農業歴(こよみ)を作り始めているのだが、その際、二十四節季や雑節に加え、生物季節の平年値も書き込むこととしている。
■ともすれば目先の作業をこなすことに気を取られがちな毎日にあって、季節を感じる余裕がなくなっているきらいもあり。
■境内は時折小雪が舞う中にあって、かすかに漂う香りが春の兆しを実感。

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080215トンネルトンネル
■昨日の続き、播種したホウレンソウにトンネル掛けをする。
■「ホウレンソウをきれいに作れて一人前」とのこと、露地でもままならないのに、一足飛びでトンネル栽培にチャレンジ。
■初めての経験で暗中模索の状態だが、「播かない種は芽が出ない」。Try and Errorの始まりです。

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080214ホウレンソウ
■久し振りに穏やかな天気、今がチャンスと空いている畑にホウレンソウを播く。
■当然、今の時期、裸のままだと芽も出ない。明日、雪が降り出す前に、ビニールトンネルを掛ける予定。  種屋の説明書きどおりに事が運べば、4月中旬には収穫できるはず。
■収穫後の当地には、間髪入れずにエダマメを定植する腹づもり。お尻を切られると緊張感が増すのは、どの仕事も同じ。

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080213雪の下
■朝から北西の冷たい季節風に乗って、断続的に雪が降る。これまでと異なって冷え込みも厳しく、さらさらとした「本物」の雪。
■屋内でデスクワークに専念すればよいものの、窓から見える畑の様子が気になる。我慢するのも精神衛生上よくないので、時折吹雪く中、ホウレンソウやキャベツなどの様子を見て回る。
■結果、ホウレンソウは完全に雪の下、たぶん明日までには融けるだろうが、少し気の毒。こんなに何回も積もろうとは、予想外の展開。相場も若干上がり気味。
■ここが勝負所、しっかり管理して、皆について行こうと思う。

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080212初体験
■朝から雨模様、屋外での作業は不可なので、腹をくくる。先延ばしにしていたアレに取りかかることとする。
■説明書にしたがって機械的に数字を入れるだけ、と言われればそれまでだが、初めての経験ということもあり、面倒なことこの上ない。
■さらに、掛けたり割ったりする数字の根拠がよく分からないので、気持ち悪いことこの上ない。
■手始めに、少し前に買って積読状態にあった「ベーシック税法」(有斐閣)を読んでみたいと思う。
■確定申告はお早めに。
080211柚子の土づくり
■珍しく朝からポカポカ陽気、明日はまた雪or雨との予報なので、今しかできないことを。
■剪定が終わったユズの成木、株元を中心に半径65cmの同心円を描き、溝を掘る。そこに発酵鶏糞を15kg入れ、また土を戻す。これの繰り返し。
■化成肥料も一緒に施肥すれば効率的だが、春は「3月上旬」が適期とされいるので、今回はお預け。
■久し振りに太陽の下で体を動かしたためか、作業が終わる頃にはめまいがして立っていられなくなる。  鈍った体を元に戻す必要。

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080210雪解け
■昨日の雪は、今日一日ですっかり解ける。心配していたビニールトンネルにも被害なし。
■ただし、気を付けなければいけないのが、この後。雪で作物は少なからずダメージを受けているはず。加えて、圃場はかなりの水分過多の状態にあって、気温が少しでも上昇すれば、病気が蔓延する条件が揃う。
■今日は圃場の状態が悪いため諦めたが、明日こそはじっくりチェックして回りたい。

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080209大雪の日には
■朝から湿った雪が降り続き、珍しく3cmの積雪(京都気象台発表)。
■外出することもままならない状況なので、この際、過去の気象データを整理することとする。
■本来であれば、圃場に簡易でも専用の機器を設置して観測したいところだが、そこまで余裕がないので、直近のアメダスデータをダウンロードして使用。
■毎日の気温(最高、最低、平均)、降水量、日射時間の各項目について、まず平年値を、続いて昨年の値をすべて入力して基礎データとする。
■これをベースに各作目の栽培履歴とリンクさせ、簡単な分析を試みる。たとえば、播種後、収穫までの気温、降水量、日射時間を積算することで、生育度合いのチェックやおおよその収穫日が予想できる次第。
■いずれにせよ、まだn=1の段階なので、データをこつこつ積み上げていきたい。

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080209ホウレンソウの病気
■昨日の続き、地べたに這いつくばって除草をしていると、普段は見過ごしているものが見えてくる。
■葉の表面に、黄色をした境界が不明確な小斑点を発見。明らかにべと病(Peronospora effusa)である。来るべきものが来た、という感じ。
■平均気温が8~18℃の多湿条件下で最も発病しやすく、曇雨天が続くと発病しやすい。露地栽培では春と秋に発生が多い。「農業技術体系野菜編7」(農文協)
■播種した品種は、レース5まで抵抗性を持っているが、それでもダメ。最近はレース分化が著しく、レース7まで報告されているとのこと。次作からは、レース7に抵抗性を持った品種を試してみようと思う。
■いずれにせよ、さっそく殺菌剤を散布。これ以上広がらなければよいが。

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080207除草
■久し振りにホットエリアの畑をのぞいてみると、ホウレンソウの合間に雑草がびっしり。播種時に除草剤を散布したが、こいつには効かなかったらしい。
■シソ科オドリコソウ属の一年生草本、名をホトケノザ(Lamium amplexicaule)という。主に早春から6月頃まで花を咲かせ、畑では冬から春の雑草となる。
■ちなみに春の七草でいう「ホトケノザ」とは、コオニタビラコ(Lapsana apogonoides)というキク科に属する別の植物を指すとのこと。
■はて、どうしたものか。放置するのもひとつの手だが、ホウレンソウの生育にも悪影響を与えるはずだ。   ここはIPM的に考え、手取り除草を敢行することに。
■ホウレンソウを傷つけないよう、北西からの愛宕降ろしに耐えつつ、ぼちぼちやります。

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080206行きかけの駄賃
■昨日はホウレンソウのベタ掛けを行ったが、隣のミズナも寒そう。
■ここまで来たらエイヤの世界、寒冷紗の上から農ビ(農業用ビニール)をかける。即席のトンネルハウスの出来上がり。
■ちなみにこのミズナはあくまでも試作。効果が見えない段階にあって新規投資は認められない、と頭の中の財務省(通称「頭脳財務」)は厳しいため、用いた資材はすべて手もとにあったものを活用。
■ただ心配なのは、今晩の強い北風。初日から吹き飛ばされなければよいが・・・。

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080205寒いので
■田んぼのホウレンソウについて。3回に分けて播いたうち、一番遅かった分は、発芽が揃わなかったため、播き直して寒冷紗をベタ掛けしたところ。
■また、最初に播いた分は、予想より遅めも、比較的順調に生育している。問題は2回目分、霜にやられてか、子葉が赤茶けている。生育も芳しくない。
■なるべく資材に頼らない栽培を理想に掲げているが、見ているこちらが寒そう。思案の末、不綿布をベタ掛けすることとした。
■立春が過ぎても、しばらくは寒い日々が続きそう。

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080204春肥
■ユズの剪定が終わったので、周囲に化成肥料と発酵鶏糞を、その上から切りワラを入れる。
■音井格「新特産シリーズ ユズ」(農文協)によれば、施肥は年4回(春肥、夏肥、秋肥、礼肥)とし、このうち光合成の盛んな夏秋期に重点的に施肥するのが有効とある。
■また、春肥は3月下旬とされているが、その時期は忙しいので(たぶん)、今から作業を始める。
■今年は強めに剪定したので、樹勢の回復を優先させ、来年にはよいユズが収穫できるようにしたい。

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080203ベカナ
■先日、雨雪が降る前にベカナを播種。
■いわゆるツケナ(Brassica campestris L.)のうち、不結球ハクサイ類(B.pekinensis RUPR.)に属する。
■スーパーの青果物コーナーにて大阪シロナを見つけ、試してみようと思った次第。種屋の宣伝文句によれば、「周年栽培ができ、回転の早い軟弱野菜として近郊地帯に向く」とあった。
■本来であれば、この時期はハウスorトンネルによる栽培とされているが、コスト削減と低温限界を知るため、不綿布のべた掛けにてチャレンジ。
■うまくいけば、春にも収穫できる予定、はてさて。

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080202短桶
■沖縄在住の友人よりタンカン(Citrus tankan HAYATA)をいただいた。
■教科書を引っ張りだして調べてみると、「ミカンとオレンジの雑種であるタンゴール(tangor)の一種。中国広東省で原産したオレンジとポンカンあるいは他のミカンとの雑種。我が国には明治中葉に伝わったが、生産が始まったのは昭和年代である」とあった。
■外果皮には擦傷や瘡蓋状の病斑が目立ち、お世辞にも外観はよいとは言えない。同封されていた生産農家のメッセージ(台風被害&減農薬)を読んで初めて理解。
■さらに果皮がすごく硬くて剥きにくいのだが、じょうのう(内果皮)は薄く食べやすい。何よりも爽やかな甘さが広がり、トロピカルな味わい。
■我が家には実生系の名も知れぬ柑橘がたくさん植わっているが、それぞれ姿かたちや味が異なり、奥が深い。
■御託を並べましたが、結論としては大変美味しかったです。ごちそうさまでした。

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080201GAP宣言
■東京より御客様あり、毎度ながら端境期にて恐縮しながら圃場を案内する。
■先日とはまた異なる視点から意見交換、ためになる。話の成り行きから、GAP手法(http://www.maff.go.jp/syohi_anzen/gap/index.htm)に取り組んでみることに。
■いつかは生産工程を洗い出して全体最適を検討したいと思っていたところ、これを機会にまずは九条ネギで基礎GAPから始めてみたい。
■と、言ってみたのはよいものの、果てさての世界。ここは「やってみなはれ」の精神でやるのみ。